Mon bel été

Bonjour les amis !

季節が移りゆく様子を肌で感じながら「またね、すぐに戻ってくるから」という言葉を色々な場面で口にしたり、心でつぶやきながら帰国いたしました。

今回の旅は最初にもお伝えした通り、これまで辿ってきたフランスとの関係を振り返りながら、これからを見つめる時間になりました。

私は、あまり過去を振り返ることなくこれまで暮らしてきましたが、コロナ禍で自分と向き合い、フランスと関わってきた20代前半からこれまでに思いを馳せる中で、私をフランスから離れられなくしたのは出逢いや別れを共にした人たちだと気づきました。

美しい街並みや素敵な観光名所、楽しいショッピングの時間などはどんなに頑張っても築いてきた友情に勝つことはできません。

そして、その大切な人たちと深いところでわかり合いたいという思いが、フランス語上達へのモチベーションだったことにも気がつきました。その国の言葉を抜きに文化を理解することは残念ながら困難なのです。

今回の旅でも新しい出会いがいくつかありました。

ふっと吹くと消えてしまいそうな儚い出会いもあれば、絶対に次回も会うね、と確信できるようなしっかりした出会いも。。。

大好きな国、フランスに暮らす人々を通してこれからも彼ら、彼女らが織り成す文化を感じ続けたいと思います。

そして、私ができる方法で精一杯皆様にお伝えできればこんなに嬉しいことはございません。

さて、今日の画像は、これまでのコラムで紹介できていないたくさんの画像から、いくつかのテーマに分けて掲載させていただいています。

・ヴィシーで出会った素敵な母娘が経営するお菓子屋さん

・ヴィシーの公園で出会った優雅な白鳥の動画

・パリのカルナヴァレ美術館と併設カフェ

・23歳、初めてのパリで最初に訪れた思い出深いヴォージュ広場、私のパリの原点。

来年の夏休みもプロヴァンスで数週間過ごすことが決まっています。

ありがたいことに友人たちに約束を強いられました!

その前後にアルザス?ロワール?など訪れたい場所をアレンジしてフランスの旅を続けます。

そうなんです!フランス人はすでに来年の夏の計画をヴァカンスが終わる頃にスタートして予約まで開始するのです!

最後になりましたが、フランス滞在のコラムを読んでくださった皆様に感謝いたします。

まだ一般的にはフランス行きが容易ではない状況の中で、すこしでもフランスの薫りや風を感じていただければ。。。という私の思いを受け止めてくださりありがとうございました。

フランス好きな皆様の次回の旅のヒントになれば嬉しいですし、旅行はなさらなくても私のコラムからフランスを感じていただけていたなら本望です。

これまでのコラムについてのご質問やフランス旅行のご相談などございましたら、何なりとお問合せくださいませ。

私のインスタグラムのDMやメールを通してご連絡ください。yokooceanne@gmail.com

生きている「今」に感謝して、歓びをを見出す暮らしができれば素敵ですね。

コラムは今後も頻度やテーマを変えて続く予定ですので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

それまで。。。ごきげんよう!

Bonne journée et à très bientôt !

YOKO

レジーヌとジャン=クロードが奏でるメロディ

Bonjour les amis !

前回はレジーヌのお家の中をご紹介いたしました。

今日は、私が時間を忘れてリラックスさせてもらったお庭にお招きいたします。

この美しいお庭を整えるのは優しいご主人のジャン=クロード。

レジーヌと同じように今はリタイアして7人のお孫さんたちを預かったり、もちろん奥様のレジーヌと外出や旅行を楽しむゆったりした暮らしをしています。

このお家に引っ越すことを決めた一番の理由は、お家を守るように取り囲むお庭と背の高い木々だったとか。

そこに少しずつお気に入りの植物を増やし、プールを作り、小さな泉を設置したりして今の形に仕上げていったそうです。

なんと全てジャン=クロードが自分の手で行ったのですよ!

フランス人は大工仕事が大好きなので、お家だって建ててしまいます。実際にジャン=クロードはここに引っ越す前に3人のお子様達と暮らした家を自分で建てたのです!

これは我々日本人からすると考えられないことですね。

お庭には来客を温かく迎える意味の3本の糸杉、そしてイチジク、アプリコット、プラム、さくらんぼ、オリーブ、洋梨、レモン、くるみ、菩提樹、バラ、アーモンド…加えて数えきれない種類の花々。

木陰にはテーブルと椅子が用意されていて、私のように招かれた客は、お気に入りの場所を決めて自由にくつろげる配慮がなされています。

フランス人のおもてなしは決して飾り立てすぎることはせず、普段の暮らしにほんの少しだけ「よそゆき」の要素を加えて仕上げます。

招く人たちが自然体なので招かれた人はゆったりした空気感に包まれて、心からリラックスできます。そして、来客がくつろいでいる様子を見ることが何よりも嬉しいと言わんばかりにさりげない気遣いを繰り返してくれるのです。

レジーヌ宅で過ごした数日間、自分でもびっくりするくらいありのままの自分でいることができ、これまでより長い時間ご夫婦揃ってずっと一緒に過ごせたことで、友情もぐっと深めることできました。

もうすでに来年の日取りや予定まで打ち合わせしちゃいましたよ。

ジャン=クロードは生粋のプロヴァンス出身者なので、自分の土地を一人でも多くの人に紹介したいようです。

さて、フランジュールのオーナー、木崎清美さんはフランスの中でも南仏プロヴァンスの生活文化に深く魅せられた方です。

お仕事の関わりが長いレジーヌのこのお家に、数年前に訪問された時の様子が残されていますのでこちらもお楽しみくださいませ。

私のフランス滞在もそろそろ幕を閉じようとしています。

来週はフランス滞在記をまとめる意味でこの1か月を振り返りたいと思います。

Bonne journée et à très bientôt !

YOKO 

プロヴァンスのおとぎの国へようこそ

今日は皆様を夢の世界へお連れしたいと思います。

友人のレジーヌはまるで魔法使い。

古いもの、とりわけ白い布、レース、刺繍に魅せられて、インテリア雑誌にも取り上げられるおとぎの世界を自宅で再現しています。

私が幸運にも彼女に出会うことができたのは、フランジュールでお勤めしていたおかげです。

フランジュールは当時から南仏の暮らしを伝えることをキーワードにしていたため、私を南仏研修へと送りだしてくれました。

当時、総代理店を任されていたインテリア、フレグランスブランドの「コテ・バスティド」で本場の空気や接客、もちろん商品知識を深めることが目的でした。

このメゾンを生み出した背景を体感することが大切な役割だと理解して向かったことをよく覚えています。

ルールマランは昔も今もリュベロン山脈麓に点在する村の中で、いちばんシックな村です。

ここで過ごしたひと夏は、今振り返ると私のその後の人生に夢色の花を咲かせる種を蒔いてくれていました。

レジーヌは当時、ルールマランでアンティークの布ものを扱うお店を開いていて、私はふらりと立ち寄った通りすがりの客のひとりでした。

この出会いから現在までを全て語ると時間が足りませんので、少しずつお話ししたいと思います。

今日は、私が今お世話になっている、エクスから車で20分ほどの彼女の自宅の様子をお届けいたします。

まず一階のお写真をご覧くださいね。

そして二階にはアトリエがあります。

皆様のため息が私にも聞こえてきます!

もっともっと知りたい方はフランジュールへお出かけくださいませ!

リタイアした後、深い信頼関係を築いているフランジュールのためだけにレジーヌは貴重な白い手仕事を届け続けています。

そうなんです。私がレジーヌに出会ったあと数年を経て、フランジュールはレジーヌのブランド「クジーヌデリラ」の商品を取り扱うようになりました。

数年前にフランジュールのオーナー、木崎清美さんがルールマラン時代のお家に行かれた模様も以下のリンクからご覧いただけます。

次回はその景色を眺めているだけで、心が満たされるお庭の様子をお届けいたします。

Bonne journée et à très bientôt !

YOKO 

戻る場所がある幸せな旅

Bonjour les amis !

今日はある家族と過ごした親密な一日についてお話しさせていただきます。

私がソフィーと出会ったのは今から約20年前のこと。留学先のリヨンの女子寮で一緒に過ごしました。

夏休みに日本に帰国しない私を気にかけて、当時ご両親と妹、弟たちが暮らすノルマンディー地方のシェルブールにある実家に招待してくれたことがきっかけで家族みんなと仲良くなりました。

その後、私は帰国して日本で仕事をはじめ、ソフィーは日本への留学を経てニューヨークで仕事をスタートし、今は現地で結婚してキャリアを重ねながら、二人の男の子のママになっています。

私はソフィーのママ、マリーともお友達の関係を築いているのですが、そのマリーのご両親がエクス・アン・プロヴァンスから車で30分ほどのヴォーグナルグという村で暮らしています。

これまで何度かエクスに滞在した際に、マリーのご両親(=ソフィーのおばあちゃま、おじいちゃま)のお家にもお邪魔したことがありましたし、2017年の夏にソフィーの弟、エティエンヌの結婚式に招かれた時におばあちゃま、おじいちゃまとも再会していました。

その家族全員がおばあちゃま、おじいちゃま宅に集まる貴重な時間に、私にも声をかけてくれて、コロナ禍を経た感激の再会を昨日果たしてきました!

まずは美しいオリーブの木と三本の糸杉が迎えてくれるお家へ到着した場面をご覧下さい。

ちなみに糸杉には訪問者を歓迎する意味が込められています。

フランスのお家は名前がつけられることが多いのですが、このお家には「Bresco 」という名前がついています。

招待客にプレゼントするためのラヴェンダーのサシェにもお家の名前が記されています。

私もいただいたのですが、中身のラヴェンダーはもちろんお庭でとれた自家製でした!

テラスに着くとセザンヌを虜にしたサント・ヴィクトワール山がまるで絵画のように正面に現れます。

こんなにも贅沢な風景を眺めながら、ランチタイムです。

ソフィーの一番下の弟、バンジャマンがメインのチキンのパイ包みを取り分けます。

フランスでは男性がこんな風にサービスします。

バンジャマンがまだ6歳くらいの時に初めて会った時は、ママがお客様の私にばかり気をかけるので私にやきもちを焼いていたことを思い出すと、こんなにも好青年に成長しちゃって感激です!

彼はお料理の先生のママの血をしっかり引いていて、この日はびっくりする美味しさのフィノンシエまで作ってくれていました。

実はバンジャマンのパパがなんでもできる人なのですが、今回はとうとうお庭で採れた果物でソルベまで手作りしていました。

これまでの人生で自家製ソルベをお庭の果物で作る男性と出会ったことがないので、驚きと感激で写真を撮ることをすっかり忘れてしまいました!

ミラベルと桃のソルベ、もちろんこれまでの人生でいちばんの美味しさでしたよ。

この家族とのストーリーを語り出すと時間がいくらあっても足りません。

続きは9月に行うレクチャーでお話しさせて頂きます。

最後に紹介する画像は家族の名前が刺繍されたナプキンケースです。

日本のお箸箱のように捉えれば良いのでしょうか。

汚れていなければ毎回お洗濯する必要はないので、自分のナプキンがすぐわかる様にフランスの家庭でよく見られる光景です。

来客用には、南仏にゆかりがある言葉が刺繍されていました。

ソフィーの長男のガブリエルは私のお土産の甚平をとても気に入ってくれました。

今日はガブリエル、ソフィー、私の画像で終わらせていただきます。

生きる歓び、プロヴァンスの暮らし、すこしずつ終わりに近づいていますが、もう少しの間素敵な日々をご紹介できると思いますので楽しみにしていてください。

Bonne journée et à très bientôt !

優美な街エクス・アン・プロヴァンス

Bonjour les amis !

パリ、ヴィシー、リヨンを経て今回の旅行の最終地のプロヴァンスに到着いたしました。

滞在する街はエクス・アン・プロヴァンス。

オペラやバレエも催され、夏には音楽会が開催されるパリの次に洗練された歴史と文化が息づく街と言っても過言ではありません。

今から20年ほど前に初めてこの街に滞在した時、上品で洗練された人たちが優雅に歩く姿と街並みが調和して「いつか住みたい!」と思ったことをよく覚えています。

旅行で訪れるのと住むのでは判断基準が異なります。

私は自然の中、特に大きな木々に囲まれるのが大好きですし、川のせせらぎや鳥の声を聞くと心から癒されます。

でも、自然だけしかない場所で長く滞在することはできません。

これまでフランスの地方をたくさん旅してきたなかで「住みたい、ここなら住める」と思える場所は実は数少ないのです。

そんな中でここエクスは一番住みたい場所です。

憧れのこの街に、私をフランス文化の深部に導いてくれたラデュレの元上司、サフィアが暮らし始めました。

かけがえのないこの元上司ついては、パリ在住の鈴木春恵さんが素敵なインタビューでプロフィールをまとめてくださっていますので、もしお時間がございましたらご覧ください。

https://news.yahoo.co.jp/byline/suzukiharue/20220217-00282435

https://news.yahoo.co.jp/byline/suzukiharue/20220318-00287070

https://news.yahoo.co.jp/byline/suzukiharue/20220319-00287073

サフィアはフランスで一番洗練されたふたつの街を行ったり来たり、おまけにパリではロダン美術館の真正面のアパルトマン、ここエクスではセザンヌが最期の10年を暮らした歴史的なアパルトマンに暮らしています。

仕事での直接的な関わりはなくなった今でも、私を気にかけてくれて今回のように近くに行けば惜しみなく面倒を見てくれる懐が深い女性です。

そういえば、私が初めてサフィアと出会ったのもヴァカンスの時季でした。

当時サフィアの別荘があったノルマンディーの友人宅で「日本が大好きなパリジェンヌよ」と紹介されたあの日を今でも鮮明に覚えています。

サフィアのエクスのアパルトマンやエクスのおすすめアドレスは、フィガロジャポン元パリ支局長の大村真理子さんが素敵な文章で紹介されていますので、こちらからご覧くださいませ。

https://madamefigaro.jp/paris/220802-safia.html

https://madamefigaro.jp/paris/220803-aix-en-provence.html

フランス流暮らしの美学のお手本のサフィア。

おもてなしの時にも相手の好みをしっかりと受け止めて尊重し、決して自分を押し付けることはありません。

今回は優しいご主人のブルースと、サフィアにとって子供同様のネコちゃんとワンちゃんたちも歓迎してくれました!

8月に10歳になったネコのハーパースの誕生会にも参加させてもらいましたよ。

今日はこれからアンスイスの教会で開催されるクラシック音楽会に連れて行ってくれるようです。

はい、ここではおとなしくサフィアが考えてくれるスケジュールに従うのが一番幸せな方法なのです。

心から信頼していますので。

素顔の南仏の暮らし、次回も楽しみにしていてくださいね。

Bonne journée et à très bientôt !

 私を包み込んでくれる町、リヨン

Bonjour les amis !

夢見心地で過ごしたヴィシーから、留学生活を送った思い出深いリヨンに移動してきました。

ソーヌ川とローヌ川、そして2つの丘に抱かれるように佇むリヨンは、フランス中部に位置するフランス第3の都市で「美食の町」「絹の町」とも呼ばれてます。

私は30歳を過ぎてからそれまで適当に勉強していたフランス語を、基礎から学びたい、フランス文化もきちんと学びたいと思い立ち、大学生活をスタートさせました。

そして、大学最後の1年をリヨンカトリック大学で留学生として過ごしました。

ですから、この町には特別な思い入れがあります。

今回の3年ぶりのフランス滞在を決めた時に、自分がこれまで関わった「フランス」を辿りたいと思いました。そして、そこに登場するのは「場所」ではなく、むしろ「人たち」だと思っていました。

今の私、すなわちフランスと関わり続ける私を作ってくれたのは、紛れもなくフランスで出会い、時を重ねて友情を育んできた友人達だからです。

コロナ禍で余儀なく遮断されてしまった時間を取り戻すように、今、順番に友人達との再会を楽しんでいます。

リヨンは、疫病が流行していた17世紀に、聖母マリアに疫病からリヨンを守ってもらえるよう祈りを捧げ、疫病を退けた逸話がある様に、マリア信仰が深いところです。

町を歩くとあちらこちらに美しいファサードの教会があります。

この街にいると、目に見えない大きな力で守られているように感じるのは、きっとリヨンの歴史とも関係しているのでしょうね。

実際に留学時代に私を助けたミラクルな経験については、また別の機会にお話しできれば幸いです。

次回はお盆休みが終わる頃に、いよいよ最後の滞在場所の南仏からお届けいたします。

皆様もお健やかな夏休みをお過ごしくださいませ。

Bonne journée et à très bientôt !

麗しいヴィシー、華麗なるディオール

Bonjour les amis !

皆様はどんな週末を過ごされたでしょうか。

私は、前回のコラムでお伝えした通り、ヴィシーという町で予想を遥かに超える充実した週末を過ごしました。

パリのベルシー駅から電車で3時間で到着したヴィシーは、昨年ユネスコの世界遺産にも登録された温泉保養地です。

いつも私に旅のヒントを与えてくれる友人が、随分前に勧めてくれていた場所で、いつか行きたいと思いながら長い時間が経過していました。

理由のひとつはパリからTGV(日本の新幹線みたいなもの)が出ていないことでしたが、来てみると到着した駅から全て徒歩で回れるサイズの町には、フォトジェニックな場所が溢れていて、とりわけ次から次へと目に前に現れる美しい建築に見惚れてしまい、いったい何枚写真を撮ったでしょうか!

歴史的には、17世紀にセヴィニエ夫人が持病のリューマチの治療のためにこの町に通い、ヴィシーの良さを伝えたおかげで話題になり、有名になっていったそうです。

その後、この町にとって一番重要な歴史的人物、ナポレオン3世が登場します。

ナポレオン3世が深く関わっているのに、皇妃ウージェニーは数日間しか滞在したことがない理由やガブリエル・シャネルはこの町でいったい何をしていたの? などのエピソードも交えながら、大好きになったヴィシーについては9月に実施するフランス文化講座で詳しくお話しいたします。

さて、ヴィシーに出発する前に、パリのディオールの本店横にオープンした「ラ ギャラリー ディオール」に行ってきました。

2017年から18年にかけて開催された「ディオール展」を再編集したような内容の展示は、メゾンの歴史をさらに深く理解できる圧巻のギャラリーでした。

鑑賞後はお隣の本店へ。。。

メゾンのコーナーのディスプレイを見るのが大好きなのでこの日も直行です。

レストランやカフェもできていて、次回のパリではここで必ずランチします!

「美は人を幸福にする」ことを体感し続けているフランス滞在。

皆様がこのコラムを読んでんくださる頃、私はリヨンに移動している予定です。

次回は私が留学生活を送った思い出深いリヨンからお届けいたします。

Bonne journée et à très bientôt !

YOKO

カイユボットの家でピクニック

Bonjour les amis !

パリから郊外線の電車に乗って30分ほどで到着するイエール川沿いにある邸宅と庭園。

ここは自らも画家でありながら、印象派の画家たちの作品を購入し、印象派の人々を経済的に支えたギュスターブ・カイユボット( 1848-1894 ) が12歳の時に、父が購入した邸宅です。

https://www.maisoncaillebotte.fr/

他の印象派の画家たちに比べて、カイユボットの存在が知られていない背景には、こんなにも素敵な邸宅と広大な庭園 ( 11ヘクタール!)を所有できる裕福な家に生まれた故に、絵を売る必要がなかったからだとか。

今でも作品の持ち主は個人だったり、行き先がわからない作品も多いそうです。

なるほど、画家の知名度や後に残された作品の価値はこのような要素も影響するのですね。

この頃、パリはオスマンの大改造のただ中でしたので、その一大工事現場となっていたパリの喧騒から離れるために、富裕層はこの地域に別荘を構えたそうです。

庭園好きな私は、ここ数年ずっとこの場所に行きたいと思っていましたので、今回、実現できてほんとうに嬉しい一日になりました。

同行してくれたお友達、パリ在住のかおりちゃんは、この日のために心を込めてピクニックの準備も進めてくれていて、それだけでも大感激でした!

久しぶりの再会の待ち合わせに選んだのは、リッツパリがコロナ禍の昨年にオープンさせた、ぐっとカジュアルなテイクアウトと気軽な雰囲気のイートインコーナーがあるお店。

https://www.ritzparislecomptoir.com/fr

まずは朝食がわりにピーチ・メルバを選んでしまいました!

ピーチ・メルバは、かのエスコフィエがオペラ歌手のネリー・メルバのために考案したデザートですので、リッツパリにとっても意味深いデザートなわけです。

ピーチ・メルバで始まった1日、美しくて広大なお庭で尽きないおしゃべり。

ピクニックは参加希望の蜂さんたちまで登場して、対応に大忙し。

あまりのお天気の良さでデザートに用意したザクロがなんと発酵し始めてしまっていて、パクパクと食べた私はお酒も飲まないのに、ザクロで顔もほてって、ほろ酔い気分になってしまいました!

前代未聞ですよね。

最後に邸宅の中を見学し、パリから離れた束の間の時間に別れを告げました。

パリ滞在中は、こんな風にどこかでパリからちょっとだけ脱出することをおすすめいたします。

カイユボットの家をはじめ、パリやパリ近郊の美術館や庭園をご紹介するフランス文化レクチャーは秋から新しいコースもスタートする予定です。

楽しみにしていてくださいませ。

明日は、あっという間のパリ滞在を後にして、可愛いいものが溢れていそうなはじめての町へ向かいます。

次回のコラムをお楽しみに!

Bonne journée et à très bientôt !

YOKO 

初日からプティハプニング!

Bonjour les amis !

フランス滞在も今日で3日目です。

昨日はちょっとしたハプニングからのスタートになりました。

昨年の夏にオープンして話題の「オテル・ドゥ・ラ・マリーヌ」の見学をそれはそれは楽しみにしていて、もちろん事前にインターネットから予約も入れていました。

コンコルド広場に面してクリヨンホテルの建物と対を成しているこの建物、この広場を造り、当時は自身の騎馬像を真ん中に設置させたルイ15世の時代に王室の家具調度品保管所として建設されていました。

ここの保管所長のアパルトマンの内装を当時の調度品で再現して蘇ったオテル・ドゥラ・マリーヌ。18世紀の装飾芸術に浸る時間を指折り数えていたのですが。。。いつまでたっても中に入れないのです!

しばらくお待ちくださいという係の人に従って待つこと小一時間。待つ人の列はどんどん伸びてそろそろ誰かが文句を言い出しそうな雰囲気が出てきたその時に。。。

「今日はオープンしません」の一言。そして、「我々は何も知らないしただ、こう伝えるよう言われているだけ。今日の午後にはオープンするかもしれないけれどしないかもしれない。今は何もわからない」と告げられると、なんだかフランスでは「この人に文句言ってもね。。。」と納得しちゃうんですよね。

払い戻し希望者は、ここに自分でコンタクト取ってくださいとメールアドレスが印字された紙を渡され。。。「あーあ、併設の素敵なカフェ「ラぺルーズ」で鑑賞前のパリ最初の朝食をいただく所まではバッチリだったのに」と心の声は嘆いていましたが、こんなことぐらいで慌てません。

https://www.hotel-de-la-marine.paris/Autour-de-la-visite/Gastronomie/Le-Cafe-Laperouse

パリの時間を絶対に無駄にしたくないので、くるくると頭を回転させて、ここから目と鼻の先にあるパリ装飾芸術美術館で開催中のエルザ・スキャパレリの回顧展に向かいました。

https://madparis.fr/ExpoSchiaparelli

この展示会は当初ノーマークだったのですが、芸術やモードに精通している友人が「これを見過ごすなんてあり得ない!」と私が決めていた日々の予定を聞き出し、スケジュールの整理までおせっかい(?)にもはじめてくれたおかげで、存在を知りパッと切り替えることができました。

果たして、モードには深い知識を持ち合わせていない私でも、瞬く間に引き込まれる圧巻の展覧会でした。言葉はいりませんね。画像でご堪能くださると幸いです。

この日の夕方には、ヴァンドーム広場の裏にある宝飾芸術学校で開催されている、古代から19世紀までの石の彫刻の歴史を回顧する展覧会にも行きました。類い稀な個人コレクションによる宝石の彫刻芸術は未知の世界へ連れて行ってくれました。

https://www.lecolevancleefarpels.com/fr/fr/exhibition/pierres-gravees

さてさて、オテル・ドゥ・ラ・マリーヌの後日談ですが、先程お詫びと返金のお知らせメールが届いて、お休みが続くようです。

組合がどうとか、話し合い中だとか言っていたのでおそらく「スト」ですね。

ここは次回のお楽しみにとっておくことにいたします。

3日目にしてコラムでは書ききれないお話が山盛りですので、9月に予定しているレクチャーでたっぷりご紹介いたします。

ご希望の方は同じ内容でオンラインでも実施させていただきます。

お気軽に私のインスタグラムのメッセージなどでお問合せください。(インスタグラムのネーム : yokooceanne )

フランス滞在中のコラムについて、更新のお知らせは随時私のインスタグラムアカウントからさせていただきます!

さあ、今日はこれから日帰り遠足に行ってきます。どこに向かうでしょうか?

次回の更新を楽しみにしていてくださいませ。

Bonne journée et à très bientôt !

YOKO 

3年ぶりのパリ

Bonjour les amis !

先ほどパリに到着いたしました。

3年ぶりのパリ、どんな気持ちになるのかなぁ? と楽しみにしていました。

結果は。。。これまで抑えていた感情が込み上げてきて、生き返ったようです。

お部屋にとりあえず荷物をおいて、心の中でスキップしながらまだ明るい夜のパリへ

さて、これまでは左岸滞在がほとんどでしたので、空港からの車はパリに入ると北から下がってきて、アレクサンドル3世橋を渡り、左に目を向けるとノートルダム寺院、正面にアンヴァリッドそして少し向こうにエッフェル塔を望むという美しい舞台を見せてくれていました。

今回はパリ滞在がとても短く、できるだけ移動時間などを無駄にしたくないと思い、パリの「おへそ」にあたるルーヴル美術館のすぐ西のホテルを選びましたので、凱旋門を通りセーヌの手前で到着。

フランスでは教会のそばに滞在すると、朝、鐘の音で目が覚めます。これが楽しみの一つなのですが、今回選んだホテルのお隣には、フランス史において重要な「鐘」を持つサンジェルマン・ロクセロワ教会があります。

時代をぐーっと遡り1572年8月24日、フランス史上最大の大虐殺といわれる「聖バルテルミーの虐殺」は、なんとこの教会の朝の祈りの鐘が合図になったといわれています。カトリーヌ・メディシスや王妃マルゴの時代ですね。

ルーヴル美術館の裏手にひっそり佇むこの教会は、観光で訪れることが少ない、隠れ家的な教会です。

今回のホテルは、もう一つ偉大な建築を正面に見ることができます。ルーヴル美術館のすぐそばと言いましたが、ルーヴルはかつて歴代フランス王のための宮殿でした。

このルーヴル宮の東側を成す、荘厳な建物「ペローのコロナード」は、ルイ14世の時代、1667年から1670年の間に造られたフランス古典主義の傑作の一つと言われています。ルイ14世の「L」が模様になっています。そして、2対の円柱が長い列柱を成していて圧巻です。

ヴェルサイユ宮殿建設にも携わったルイ・ル・ヴォー、シャルル・ル・ブランそしてクロード・ペローらによるルーヴル宮プロジェクトの一環として建てられたそうです。

クロード・ペローといえば、赤ずきんちゃんの著者としても有名な「シャルル・ペロー」のお兄さんです。

こうして皆さんにお話ししていると、思っていた以上にすごい場所を選んでいました。そして、昨年、16年ぶりに再開して話題になった百貨店サマリテーヌはお隣です。今日は閉店後でしたので、外観の画像だけお送りいたします。

でも、パリジェンヌの友人の辛口な意見「あそこは行く必要ないよ!」を聞き入れるか?聞き流すか?

今回、特に時間に限りがある私は。。。迷っています。でもお隣ですもんね。ちょっとだけ覗こうかしら?


明日の朝、サンジェルマン・ロクセロワ教会の鐘が起こしてくれるまで、ぐっすり眠りたいと思います。初日からとびきりの予定が盛りだくさん。次回のコラムも楽しみにしていてくださいね!

皆様も素敵な8月をお迎えくださいませ。

Bonne journée et à très bientôt !

P.S. 日々の写真はインスタグラムのストーリーズにも投稿いたします。

インスタグラムアカウント:yokooceanne

ペローのコロナード